カッティングや自傷の専門的な援助
自傷癖に打ち勝つためには、鍛えられた専門家からの支援や援助が必要です。
そこで、治療の専門家に相談することを考えなくてはなりません。
治療の専門家は、自傷を止めるための新しい対処法やそのための計画を
あなたに身につけさせてくれます。
一方で、なぜあなたが自分自身を傷つけてしまうのかについての
根底にあるものへのあなたの理解を手伝ってくれます。
覚えておいてください。
自傷は、何にもないという「孤立状態」から生じるものではありません。
自傷は、内的な痛みが外側に表れたものであり、
その内的な痛みは、たいてい幼少期に植えつけられたものです。
自傷と子ども時代のトラウマには、しばしば関連があります。
自傷は、過去の虐待、フラッシュバック、身体への否定的感情（自己否定感）、
あるいは、その他のトラウマ的記憶と関連した感情に、あなたが対処するための方法です。
たとえ、あなたがトラウマと自傷との関連に意識的に気づいていなくても、
そのケースであるかもしれません。
○良き治療者と出会う
善き治療者と出会うことには、時間がかかります。
あなたが選んだ治療者がトラウマと自傷を治療した経験を持っていることはとても重要なことです。
しかし、あなたの治療者との関係の出来具合も同様に大事なものです。
あなたの直観を信じてください。
もし、治療者から安堵感、尊敬、あるいは理解を得られないなら、他の治療者を見つけましょう。
あなたとあなたの治療者との関係には、思いやりや信頼感があるべきでしょう。
望ましい治療者とは、
自傷をすることを甘く考えることなく、自傷を受け入れてくれる人であり、
自傷を止めることに向けたあなたの苦労をあなた自身のペースで続けられるように
サポートしてくれる人であるべきです。
あなたが、あなたにとって最大の個人的な問題を話したとしても、
良き治療者である彼や彼女となら、居心地の良さを感じられるはずです。
最後に、自傷とトラウマの関係について触れ、
その中で、良き治療者（the right therapist）と出会うことが治療において求められています。
私には、すべての自傷行為者がなんらかの「病気」持ちであるとは思いません。
まして、医学こそが「自傷」を治癒できるとも考えません。
ですが、治療を望む自傷行為者の方が、適切な治療を受けられてないとしたら、
それは望ましくありません。
臨床心理学、精神医学、そして、医学全般は、
生きることの苦境にいる人を支える学問だと信じています。
あなたがすでに、どこかの病院に通っていて、そこで良き治療者と出会えているなら、
その方と良好な関係を保ちながら、ゆっくりと治していきましょう。
まだ、良き治療者と出会えていないという人は、無責任な言い方ですが、
きっとどこかで出会えることを信じてみてください。
もし、あなたが自傷を止めたい、あるいは自傷から解放されたいと思うのであれば、
それを誰かに打ち明けてみてください。
それは、あなたが自傷から解放される第一のステップだと言われています。
医療関係者にせよ、家族や友人にせよ、
誰かに自傷をしている事実を話すことはとても難しく、恐いものだと思います。
あなたの人生を他の誰かに与らせてみることは、
非常に恐ろしく、気恥しいものだと感じているかもしれません。
自分が自傷をしている事実を、他の誰にも知らせようとせず、
一人でそれと向き合おうとすることは、あなたの矜持だと思います。
しかし、一人で自傷を向き合うことが矜持であるとともに苦痛であるとき、
そして、その苦痛が矜持を上回ってしまうとき、
誰かに、一人で向き合い闘ってきたことを、打ち明けてみてください。
あなたの矜持を他の誰かに知らせることは、その矜持を辱めることにはなりません。
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